マルキチあれこれ百科事典

ENCYCLOPEDIA

脂肪酸~油を語るうえで欠かせないむつかしい話

むつかしい話にもう少しお付き合いを

油脂はグリセリンと脂肪酸からできていることは前回の記事で紹介しました

「脂肪酸」とひとくくりにしていますが、実はたくさんの種類があるのです。

(COOH)ー(CH2)ー・・・・ー(CH2)ー(CH3)

というのが脂肪酸を表した図式なのですが

・・・・の部分がキモです

CH2がたくさん連なっている、という意味です

どれくらいの数が連なっているのかというと、4個から30個くらいです
しかもその数は必ず偶数であるという不思議

さらに難しくなります

炭素Cは4つの手を持ちます、脂肪酸の・・・・の部分の炭素は2つの水素Hと手をつなぎますから
残りの手は二本
通常は隣の炭素と手をつなぐので、すべての手はふさがります

ところが、どこの世界にも変わりもんはいるもので、
水素と手をつなぐのを拒み、隣同士の炭素君Cが2つの手で手をつなぐことがあるのです
図で書くと

・・・CH2ーCH=CHーCH2・・・

=の部分が2つの手で手をつないだ様子
この2つの手でつなぐ部分のことを「不飽和結合」といいます
なぜ不飽和、満たされていないというのか、なにが満たされていないのか?
それはむつかしすぎるのでここでは説明を避けます

不飽和結合も不思議なことに、COOHのところから数えて、3番目、6,9,12,15と3つおきにしか現れないのです
(例外もあります)

また、この二重結合=不飽和な部分をいくつ持つかも重要な要素です

植物油に含まれる代表的な脂肪酸を上げると

炭素Cが18こで、二重結合が端から9個目にあるものを オレイン酸
炭素Cが18こで、二重結合が端から9個目と12個目にあるのが リノール酸
炭素Cが18こで、二重結合が端から9,12,15番目にあるのが αリノレン酸

このような組み合わせで脂肪酸にはものすごく種類があります

有名のものだけ挙げておきますと

DHAには炭素が22こで、二重結合は端から4,7,10,13,16,19番目にあります

最後に、この脂肪酸のうちで動物が代謝なので自分体内で作り出すことができないものがあります
その中でも生命を維持するうえで不可欠なものを必須脂肪酸と読んでいます

これは必ず食べないといけない脂肪酸=油ということになります