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オリーブオイルのはなし① 摘んだら素早く油にするのはなぜ?
オリーブオイルについては様々な興味深いストーリーがあります
摘んでから3時間以内にオイルにする
エクストラバージンは良くてピュアオイルは良くない
などなど
色々な解説がありますが、間違った解説もちらほらと見受けられます
油屋がきちんと解説します
まず、オリーブ油は実を収穫してからなるべく早く油にしたほうが良い
24時間以内だ!12時間だ!いやいや3時間以内だ!
なぜなのでしょうか?
オリーブの実は、木に生っているいる間は悪くはなりません 悪くはなりませんが、固有の性質で良くない成分は含んでいます
今日説明する遊離脂肪酸量も木の育て方によって変化します
さて、オリーブの実を摘むと何が起きるかを見ていきましょう
様々な資料やHPで調べてみると、「劣化する」と表現されていたり
「酸化がすすむ」と表現されていたりします
劣化が進むことは間違いなさそうですが、酸化なのか加水分解なのか、重合なのか
化学的に何が起きるのかを示す文献は見つけられていません
継続して調べます
以下は私の想像です、
オリーブ油の特徴は、種ではなく果実に油分が含まれていることです
果実には水分も多く含まれています
また、果実は外皮に守られて空気に触れることはありません
オリーブの実は摘まれると、実の中で油と水の化学反応が始まるのではないかとかんがえます
加水分解です
加水分解は、温度が高く時間が長いほど進みます
加水分解で進む劣化は「遊離脂肪酸」の増加です
遊離脂肪酸の数をオリーブオイルでは「酸度」という数値で表します
摘んだオリーブの実をなるべく早くフラントイオ(搾油施設)に持ち込み油にすることが大切
それは遊離脂肪酸の数を抑える、つまり酸度を低くすることになるからです
ここまでは私の想像です
ここからは事実、
遊離脂肪酸は油の中に漂うと、酸化を助け風味を悪くするなどの悪さをします
油に漂う遊離脂肪酸は化学的に除去することは
脱酸工程(苛性ソーダで遊離脂肪酸を反応させて除去する方法、無害)を経れば可能です
精製工程(化学的に油の不純物を取り除く工程、無害)では遊離脂肪酸だけではなく
他の成分も除去されてしまいますので、オリーブのおいしさはずいぶんと減ってしまいます
そしてこの工程を経ると「エクストラバージン」ではなくなるのです
オリーブの生産者は遊離脂肪酸の少ないオリーブ油、
すなわち酸度の低い上質のオイルを創ることに一所懸命なのです
酸度=遊離脂肪酸の数ですから、一度油になってしまえば水に接しない限り増えません
瓶に詰められたり、タンクで保存されている油の酸度が上がることはありません(厳密には少し上がります)
瓶のオリーブオイルが劣化するのは、異なる現象が起きているのです、、、つづく
酸度=油中の遊離脂肪酸の数 少ないほうが良い